2016.11.04今月のメディカサイト特集
今、強化が求められている「基幹型地域包括支援センター」の仕事!
平成26年度の法改正にて、さらなる地域包括ケアシステムの構築が求められています。
そのため役割の強化を求められているのが、「基幹型地域包括支援センター」。
一体どのようなことをしているのでしょうか?
今回の特集では、基幹型地域包括支援センターの仕事について迫ります。
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「基幹型地域包括支援センター」とは、簡単に言うと各地域包括支援センターの総合調整、後方支援をする役割を持った場所です。
松山市では、民生・児童委員の地区を基本とした10カ所に、地域包括支援センターが設置されています。
それら各センターを総合調整、後方支援するのが「基幹型地域包括支援センター」の役割。
松山市の介護保険課内に設けられています。
参考サイト:
地域包括支援センターについて
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/shien_center/houkatsu.html
なぜ今回、“強化”が求められたのかというと、
今までの「基幹型地域包括支援センター」は、介護現場に精通したスタッフがおらず、他業務との兼任をしているスタッフばかりで、指導、監督に十分な時間を取れず、専門的な関わりが難しい状況にありました。
それを解消すべく、今年度より職員配置を変更。
地域包括支援センターに必置とされている保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員をそれぞれ専属で設けることになったのです。
専門職を置くことによって専門性が高まり、各センターに指導・監督できる環境が整いました。
左から 社会福祉士・渡辺さん、保健師・前田さん、主任介護支援専門員・矢川さん、 生活相談員・和田さん、社会福祉士・白石さん。 |
基幹型地域包括支援センターを強化するために、28年度計画されたのが以下の項目です。
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機関誌は「知っとこ!ほうかつ」という名前で、2016年9月に創刊されました。
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機関誌ができることによって、「基幹型センター」の役割や取り組みを明確化し、情報を共有しています。
各地域包括支援センターやケアマネージャー間の、情報共有ツールのひとつになればと考えています。
市役所内にあるため、市民の方からいろいろな相談を受けます。
「デイサービスを利用しようと思うのだけど、どうすればよい?」
「家族が認知症になっている気がする」
等、介護の入口に関する相談の場合は、各地域包括支援センターへ繋ぐようにしています。
現在受けている介護サービスへの不満、
包括への対応に関しての不満などが寄せられた場合は、
意見をフィードバックし、どうやって問題を解決していくかを話し合います。
経済的困窮や虐待など、さまざまなケースが絡みあっている場合は、生活福祉課や保健所等につなぐなど、他の課や他機関との連携をはかります。
各地域包括センターから、解決困難な事例の相談を受けることもあります。
そんなときは、一緒に現場へ行き、解決方法を一緒に考えます。
今までは、情報の伝達がメインの仕事だった基幹型包括支援センター。
これからは専門性を高め、市民、各地域包括支援センター、双方向のコミュニケーションをはかる役割を果たせていけたらと思っています。
市民の方で、地域包括支援センターの存在自体を知らない方もいらっしゃいますので、多くの方に知っていただくためのイベントにも積極的に参画していきたいと考えています。
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また、各種研修や交流会の企画にも力をいれ、各センターと協力してさまざまな取り組みにチャレンジしていきたいです。
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行政でしかできない働きをし、市民に役立つようなフィードバックを。
そして、松山市の介護全体の質を上げていければと思っています。
普段聞き慣れない「基幹型地域包括支援センター」という言葉。今回取材をさせていただき、新たな取り組みを知って、これからどんどん名前が知られるようになり、介護業界内で頼りになる存在となっていくのだろうなと感じました。
地域で安心して暮らしていくためには、地域包括支援センターという受け皿が大切です。
その受け皿の質を向上させ、各連携をはかる、頼もしい存在・・・それが「基幹型センター」なのだと思います。
これからの活動も楽しみにしています!
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