2023.01.26メディカサイトコラム
カジノデイサービスってどうなったの?関東を中心に現在20事業所も運営されています!
パチンコや麻雀が楽しめる「介護施設」。当初は“反対意見”も実現に至ったワケ
という記事を読みました。
久しぶりに、カジノデイサービスことデイサービス「ラスベガス」さんの名前を聞きました。
「ラスベガス」さんは、カジノ、パチンコ、マージャン、黒塗りの送迎車など、「大人のデイサービス」として、当時、大きな話題となりました。
しかしながら、介護保険でカジノはどうなのか?という論議も始まり、その結果、2015年8月には、神戸市がカジノデイを指定しないと条例で定め、2015年10月には、兵庫県がデイサービスや高齢者施設に対する規制を行うための法改正を行われました。
他の市町でも、いくつか同様の動きがあったように記憶しています。
兵庫県姫路市には、様々なテレビでも放映された、クルーズ船を模したカジノデイサービス「デイサービス杏の里Ⅱ」さんがありましたが、兵庫県の法改正で方針転換をせざるを得なくなりました。
ルーレットは撤去されたとのこと。
その後、どうなったのかな?と思っていたのですが
日本シニアライフ株式会社さんのホームページを拝見すると
なんとなんと、デイサービス「ラスベガス」は20事業所も運営が続いておりました。
これはびっくり!そして、ちょっと嬉しい!
それだけニーズがあるということですね。
「カジノ」と聞くとイメージが悪いのですが、実際に本当のお金を掛ける訳ではありません。
独自の通貨を使い、通貨が貯まると様々なサービスと交換できる、いわゆる「施設内通貨」の仕組みでもあるわけです。
「施設内通貨」は、利用者さんの意欲を高める仕組みとして、こちらも一時期流行りましたね。
利用者さんが、デイサービスに通う目的は様々です。
・入浴
・食事
など、本人や家族の負担を軽減することは基本として
・家から外に出ること
・他者と交流すること
という社会的課題の解消も一つの目的です。
加えて昨今では
・機能訓練
が重要視され、結果、様々なレクリエーションに「機能訓練」の意味付けを持たせるようになりました。
「カジノ」はダメだ!という理由を考える時
ゲームがダメだ!というのであれば
トランプも、花札も、将棋も、囲碁もダメ!ということになります。
ルールの理解、人との交流、駆け引き、など頭を使う点で優れています。
賭け事がダメだ!というのであれば
テレビで競馬番組を流すのもダメ!ということになります。
クイズ番組なども、ある意味賭け事ですよね。
娯楽としても面白いですし、感情移入して心を元気にする働きもありますね。
娯楽がダメだ!というのであれば
外出行事も、買い物もダメ!ということになります。
(機能訓練の意味づけが必要ですが)
自宅という箱から、型通りのデイサービスという箱に移動することの繰り返しでは、心に活気が生まれにくいですよね。
デイサービスの雰囲気が「非日常的」であれば、デイに通うことで活気も生まれやすくなりますね。
介護保険制度が始まり20年以上が経ち、デイサービスは幅広く進化しました。
フィットネスジムのデイ、入浴専門のデイ、お泊まりデイ、木工DIYのデイ、カジノデイ、学校のデイ、脳トレのデイなどなど、規制の枠内で生まれる人の知恵は素晴らしいなぁと思う次第です。
世の中には様々な「ニーズ」があります。
ルールは同じでも、解釈の幅を広げて、様々なサービスが生まれることで多様性が生まれます。
利用者さんも、職員さんも、その選択肢の中から選ぶことができます。
行政と話し合いを重ねながら、これからも様々なデイサービスが生まれてくることを楽しみにしています!