2015.04.27今月のメディカサイト特集

『愛媛の離島に新しい風を!』

株式会社 しまの会社
[代表] 兼頭 一司 さん

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大手企業を退職し、松下政経塾を経て、上島町で新しい地域づくりに取り組んでいる兼頭さん。
島民の、島民による、島民のための会社を起こし、島国日本のモデル作りを目指されています。
限られた土地、限られた資源、限られた人口、過疎化の中で、人のつながりや、自然とのつながりを大切にし、地域のみんなの手で、地域の資源を活かした事業を行い、それを地域に還元していくという、共生と共助の取り組みについて、兼頭さんにお話を聞いてきました。

― 兼頭さんのご経歴を教えてください

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松下政経塾当時

私は、旧丹原町出身で、今治西高等学校の卒業です。
当時は、田舎の人間関係の煩わしさに辟易として、都会の生活に憧れ状況をしました。
大学卒業後は、東京の凸版印刷という企業で、社内ベンチャーを起こし、デジタルコンテンツをネット上で売買する仕組みなどを企画していました。
当時はITバブルで市場は拡大し続けており、『自由競争こそが健全な社会をつくる』という考え方のものに、その波に乗って成長を続けておりました。
しかし、勝ち組、負け組などといった言葉が生まれる中、競争に勝つ 人は一部であるが、頑張って敗れた人たちは、再び登ってくることが  松下政経塾当時できにくい世の中に疑問を感じるようになってきました。
理想と現実との違和感を感じていたころ、環境保全や持続可能な社会の実現を訴える本を手にしたのがきっかけとなり、『競争は必ずしも健全な社会をつくらない』という考え方に変わってきました。
自由競争、効率性、利便性といったものに偏りすぎた結果、他者への思いやりや感謝の気持ちがないがしろにされ、心の空洞化が生まれ、自殺や引きこもり、凶悪犯罪から環境問題、武力紛争にいたるまで、様々な社会問題を引き起こすのではないかと考えるようになりました。

― 松下政経塾に入った理由は?

問題意識が変化してから、元の事業部を離れ、企業による環境など社会問題への取組をサポートするプロジェクトを立ち上げました。
活動の中で、様々な方と知り合う機会を得ました。
そんな中、松下政経塾のOBで、当時住んでいた杉並区の名物区長・山田宏さんのことを知る機会がありました。
山田区長は、レジ袋税の条例化や公立学校への民間人校長登用など全国の先進事例を多く手がけてきたことで有名ですが、この方の考え方や取り組みを知り、それまでエリート的な感じがあった松下政経塾のイメージが変わりました。
そして、自分の考えを整理するため、また、松下幸之助マインドを学ぶため、安定的なサラリーマン生活に別れを告げ、松下政経塾の門を叩きました。

松下政経塾
松下電器の創業者である、故・松下幸之助氏が昭和54年に
神奈川県茅ヶ崎市に設立した指導者育成機関。
2007年現在、国会議員30名、知事2名、首長7名、地方議員
30名他、実業界・マスコミ等に多くの人材を輩出している。
松下政経塾HPはコチラ>>>
http://www.mskj.or.jp/index.html

― 弓削島に移住して島興しをしようと思ったのは?

離島では、地域経済が疲弊したり、行政も補助金などに依存したりしている現状があります。
しかしながら、島には豊かな自然があったり、人と人の繋がりが残っていたりと、ポテンシャルが高いと考えています。
また、島は地域モデルとして外から見てわかりやすいという考えもあって、以前から漠然と島に惹かれてはいました。。
一方、松下政経塾の活動の中で、様々な現場に赴き、地域づくりを学び、体験させていただきました。
国土交通省選定の観光カリスマである、双海町の若松進一さんからのご紹介で、えひめ地域政策研究センターにてインターシップをさせていただくこととなりました。
ここで、センターの支援する「えひめ地域づくり研究会議」20周年記念のシンポジウムの企画・運営に携わることができました。
準備期間に愛媛県内の様々な地域づくりの現場に触れ、実践者の皆さんに出会えました。
その中で、上島町の地域活動家である、村上律子さんと出会いました。
島の人たちと親しくなり、一緒に活動したい、頑張る仕組みを実現したいと思ったのです。
その一年後、上島町の弓削島に居を構えました。
そして、センターと松下政経塾の合同開催により、島の子どもたちを主役にした「希望の島フォーラム」を催すことができました。

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希望の島フォーラム 開催要項 希望の島フォーラム
~ボクらの地域の未来はボクらが創る

地域の未来を支える子供たちを主役にして、地域の人たちが地域を考えるきっかけづくりの場にしたいという願いから開催された。
子供たちを中心に、地域の未来未来を語り合うトークセッションには、町内外から町内外から180名近く集まった会場は沸いた。

『地元は好きだが、仕事がない。働くところがない。だから外に出て行く。でも、いつか帰りたい。』そんな地元の人たちの思いがわかった。

(兼頭さんの感想より)

― 「しまの会社]は、どのような活動を目指されていますか?

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「海の駅 おいでんさい」
弓削島には、おいでんさいグループという任意団体があり、約20の団体、合計200人もの方が、交代で「海の駅 おいでんさい」という直売所を運営しています。
この活動はすでに4年も行われており、モノを作る、モノを売る、地域の資産を活かすといった基盤が整っています。
また、この直売所を窓口として、「ボランティアネットワークひまわり」が運営されています。
弓削島では、相対的に、お年寄りでも元気な方が多いのですが、独居で困っている方も多いのが現状です。
掃除などのお手伝いをしたり、通院を介助したりといった、様々なボランティア活動もなされているのです。
すでにあるこういった活動をベースに、島の課題解決と自立への取組を島民自らの手で行っていくのが「しまの会社」のビジョンなのです。
リスクを島民の皆で背負い、島の資源を活かして経済活動を行い、その利益を、地域の福祉や教育や防災など、島の暮らしに還元していきたいと考えています。
まずは、島の豊富な海産物や農作物を使った加工品などを開発し、「しまブランド」として販売していく予定です。
また、将来的には、体験・滞在型のツーリズム事業も展開していく予定です。
規模は小さくても、島の中でお金が循環されれば、経済的自立は可能です。
島の自立のための第一ステップとして、まずは経済的自立をはかりたいと思います。

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平成20年11月には、地域づくりの拠点「しまcafe」をオープンする予定です。
「しまcafe」は農水省の事業にも採択されております。
これら、しまの会社の事業プランは、愛媛の企業数十社のグループが主催するビジネスコンテスト「キャリアドベンチャー選手権」で本年度の最優秀賞をいただき、周りの注目も集まり始めました。
島国日本の事業モデルとなるよう、島の皆様と力を合わせて頑張っていきたいと思います。

― 島での取り組みで、地域の方々との関わりはどのようにされていますか?

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せとうち交流館

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島内にあるデイサービスへ

弓削島には、せとうち交流館という施設があるのですが、島の人々が参加をして、島内、島外の人たちと交流を深めていくという活動もなされています。
形だけでなく、本当に意義のあることを行っていく気風が弓削島にはあります。
私は島外の人間ですが、この島に骨を埋める覚悟で移住をしております。
とはいっても、島民としては最も後輩です。
しかし、島の皆さんは、こちらの「本気」が伝われば、受け入れてくださいます。
島の皆さんに、教えを請いながら、少しずつ交流を深めていっております。
皆さんは、島のスペシャリストです。
海のこと、山のこと、島の文物、風土・・・。
この島の歴史、この島の現状などを聞かせていただき、この島の知恵と文化とパワーを感じます。
様々な行事、地域活動、お祭りなどに積極的に参加し、意見交換をし、酒を酌み交わし、少しずつ時間をかけて理解を得ていっております。
島の子どもたちを主役にした「希望の島フォーラム」を開催した際に、中高生にアンケートをとったのですが、半分以上が「都会に出たい」とする一方、約8割が「いつか島に帰ってきたい」と答えていました。
「自分の子どもを島で育てたい」という意見も多く、ふるさとに誇りと自信を持っていることがわかりました。
島のお年寄りが安心して生活ができることはもちろん、これからの子どもたちが、島で安心して生活していくためには、強く自立した地域になっていく必要があります。
そんな島になるよう、「しまの会社」を通じて、実現していきたいと思います。

― おまけ・・・

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ご当地名産の海鮮丼定食

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兼頭さんお気に入りの入り江

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しまcafe周辺の様子

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港からの景色

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海と緑と太陽と、笑顔でつながる上島町
本州と四国の間に広がる瀬戸内海。島々の景色が美しいこの海に、上島町はあります。
大小様々な島からなる全国でもめずらしい離島の町“かみじま”
ぜひ一度遊びに行ってみませんか?
■■■ アクセス

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■ 船 四国より 今治港より快速船(芸予観光フェリー)で60分
本州より 尾道港より快速船(瀬戸内クルージング)で49分
三原港より高速船(土生商船)で27分、
因島土生港(長崎桟橋)よりフェリー(弓削汽船)で13分
※フェリー便の廃止により、車両は乗船できません
■ 車 四国より しまなみ街道因島南ICを降り
①因島土生港(長崎桟橋)よりフェリー(弓削汽船)で13分
②家老渡港よりフェリー(家老渡フェリー)で5分
本州より しまなみ街道因島北ICを降り、
①因島土生港(長崎桟橋)よりフェリー(弓削汽船)で13分
②家老渡港よりフェリー(家老渡フェリー)で5分

上島町役場弓削総合支所(本庁)
所在地 〒794-2592
愛媛県越智郡上島町弓削下弓削210
TEL 0897-77-2500(代)
FAX 0897-77-2500(代)
上島町のホームページはコチラ>>>
http://www.town.kamijima.ehime.jp/

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