2017.05.08今月のメディカサイト特集
制度の狭間を支えるケアハウスの存在意義を、改めて
今回のテーマは「ケアハウス」。
サービス付き高齢者住宅の登場により、存在が少し影に隠れてきてしまった印象がありますが、制度の狭間で問題を抱える高齢者や家族にとって、とても意味のある施設なのです。
その魅力を改めてお伝えいたします。
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昭和20年~、第二次世界大戦が終戦し、引揚者、戦災孤児、戦争による身体障害者が多数生じました。 それを受けて昭和21年、生活保護受給者のためにつくられた「養老施設」。これが老人ホームの始まりです。 昭和36年以降、老人ホームを再整備。
の3つの施設に、役割が分けられました。 この「軽費老人ホーム」というのが、ケアハウスのことです。 |
簡単に言うと、「ケアハウス」は・・・ 自炊ができない程度の身体機能の低下が認められ、または独立して援助を受けるのが困難な高齢者を対象とした、食事付きの入所施設。 食事の提供で、高齢者の「健康面」を、入浴施設の提供で、高齢者の「衛生面」をケアし、他は自由に過ごしていただくというシンプルなスタイル。 費用は、入居者の収入によって変動し、シンプルな機能ゆえに、安い費用で利用することができるのも大きな特長です。 介護保険では居宅とみなされ、身体介護は付いていませんが、介護や支援が必要になった場合には外部の居宅サービスを受けることができます。 |
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高齢者の生活は、「介護」だけで支えられているわけではありません。 介護の他に、リハビリテーション、医療、看護、保健、予防、それを支える住まいと生活支援が不可欠。 安心して生活を送るためには支援が必要だけど、「介護」までは不要。 そんな、制度の狭間に問題を抱えた人を支援するのがケアハウスの役目だと言えます。 また、ケアハウスは、他の老人福祉施設に比べると、入所規定も含めて緩やかな運営がされているため、多様な人々を受け入れやすいという強みがあります。 そうした多様な利用者の間では、お互いがお互いを受け入れ、寄り添い、助け合いながら生活するコミュニティーが生まれやすい環境です。 |
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多様な利用者を受け入れるということは、さまざまな状況の利用者さんの背景を知り、受け入れ、円滑に生活ができるよう支援していく必要があります。 例えば、ケアハウス幸楽ではこのような利用者の実態と生活課題があります。
これらの問題を受け入れ、支援していくためには、職員によるソーシャルワーク的な関わりが必要不可欠です。 |
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掃除、洗濯をしたり、気持ちが良いと朝の散歩を日課にされている方もおられます。 デイサービスを利用されている方は、デイサービスへ。 |
部屋の家具や雑貨などは、ご本人の持ち込み。 落ち着いた環境で過ごせます。 |
新聞を読んだり、片付けをしたり・・・。 コーヒーを入れて、入居者さん同士で仲良くお話をされたり、ご自分のペースで自由に生活をしていただけます。 |
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入居者さん同士でゲームが白熱することも。 このおふたりは、毎昼食後談話室で待ち合わせてオセロの勝負をしています。 |
定期的に移動スーパーや美容室が定期的に来てくれるので、外出しなくても用事を済ますことができます。 |
おやつも施設でご用意させていただいておりますが、部屋にキッチンがついているので、自分でお好きなおやつや飲み物を用意することもできます。 お漬物やおかずを手作りされる方もおられます。 |
外食する人や家族からの差し入れを食べる人は、食事を止めることもできます!
雑談、就寝など
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ケアハウス和光苑 Kさん |
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ケアハウス幸楽 Hさんご夫妻 |
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ケアハウスは松山市でも現在12施設と、少数。
その役割をご存知でない方も多いのではないでしょうか。
しかし今回、取材をさせていただいて、ケアハウスはこれから必ず重要な役割を果たすと感じました。
必ずしも、福祉=介護ではありません。これからの時代、元気な高齢者もどんどん増えて来ます。
それぞれの状況も多様化してくるはず。
そんな時、色々な状況を加味し、ゆるやかに支えてくれるケアハウスの存在はとても価値があると思います。
その価値を信じ、情報発信していくのが私たちの務めだと思っています。
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