|
|
>>今月の特集
みなさんは、無資格・未経験でもOKな「介護助手」という働き方をご存じでしょうか?
愛媛県では、令和元年より「介護助手事業」として、3か月間のOJT研修(※1)を開催しています。
この機会に、「介護助手」というものについて知識を深めてみましょう!
(※1)OJT研修とは、職場で実務経験を通して介護知識や技術等を身に付けること。
⇒令和4年度の愛媛県介護助手事業についてはこちら
「介護助手」とは、介護施設で居室の掃除や食事の準備・片付け等の介護の周辺業務を行うお仕事です(介護の資格や介護業務の経験がなくてもできるお仕事です)。
☆こんな方にオススメ
・元気なシニアのみなさん
→ 身体的負担が少ない、様々な業務があります。
・子育てを終えた方
→ 勤務時間を選べるのでご家庭の都合に合わせやすく、短時間の勤務が可能です。
・介護の仕事に興味がある方
→ 未経験・無資格でもできます。
☆身体介護以外の業務の一例
・専門知識や技術が必要な業務
→ 更衣時の声かけ見守り、傾聴、散歩の同行(介護職員の補助)等
・専門知識や技術がほとんどない方でも行える業務
→ 居室の掃除・食事の準備・入浴の準備等
比較的に身体への負担が少ない業務内容なので、学生などの若手はもちろん、定年退職後の元気なシニアや主婦にも行いやすい仕事です。
無資格・未経験者、大歓迎!
勤務時間も短時間なので、自分に合わせたライフスタイルを組み立てやすく、学生からシニアまで、幅広い層が参加できます。
介護の現場では、食事介助・入浴介助・おむつ交換など、人手不足となる時間が発生したり、介護職員が「専門的な業務に専念したい」と思っていても、掃除などの介護の周辺業務に追われ、専門的な業務にそのスキルを活かせず、歯がゆい思いをしたりする機会は少なくありません。
そのため、ご利用者さまに直接関わらない業務を、若手からシニアまでの多様な人材が担うことで、現場の人手不足を解消し、介護現場の労働環境の改善や介護サービスの質が向上することを目的に「介護助手」という制度が生まれました。
四国でもいち早く「介護助手」をモデル事業として展開している徳島県は、平成29年度から「徳島県版『介護助手』制度」を導入し、実際に「介護助手」が労働環境の改善や介護サービスの質向上に貢献しているという成果を報告しています。
「介護助手」が導入されたことで、ヒヤリ・ハットや事故などの低減といった安全面の向上、介護職員の精神的な負担の軽減、介護職員が本来の専門的な業務へ従事できる点や施設の利用者と向き合う時間の向上など、様々な良い成果があげられたそうです。
愛媛県は、「介護助手」により介護現場の環境や介護サービスの質向上を目指すため、令和元年度から「介護助手」制度を導入しました。
参考に、過去の介護助手事業の動画をご覧ください。
愛媛県社会福祉協議会では、愛媛県からの委託事業として令和3年度も「介護助手事業」を行っており、3か月間のOJT研修期間を設け、必要な知識や技術を習得し、無資格・未経験の方や高校生等の応募が可能です。
実施期間は、8月~10月、10月~12月の2コース。
期間内はOJT研修手当として、1時間850円が支払われます。
勤務内容は前述したように、食事の配膳やシーツ交換などの介護の周辺業務が中心で、勤務時間は、例えば週4日×1日4時間、週に16時間程度が目安です。
OJT研修終了後は、実施施設と相談の上で継続雇用となる可能性もあり、新たな就職先の期間限定のお試し体験ができる、良い機会にもなります。
⇒令和4年度の愛媛県介護助手事業についてはこちら
『令和3年度の介護助手事業』を担当された、愛媛県社会福祉協議会 福祉人事部 人材研修課 福祉人材センター キャリア支援専門員で、介護福祉士でもある中田明則さんにお話を伺いました。
中田さん:
令和3年度における介護助手事業の採用予定枠は40名で、各施設で行われた事前説明会へ参加された方は計76名、各施設で行われた3か月のOJT研修の採用者は44名でした。
採用者は8割が女性で、年代では10~70代。60代の方が4割を超えていました。
短時間勤務であることや、無資格・未経験でも参加可能であるということに興味を持たれて参加された方が多く、また、愛媛県社会福祉協議会の主催であった点も安心して「参加してみよう」と思っていただけたようです。
従事前には専門用語の解説など、介護の基礎的な研修や、認知症や感染症対策の基礎知識を学べますので、初心者でも安心して現場に参加することができます。
OJT研修は、事前説明会へ参加→3か月のOJT研修→終了(介護助手継続希望者は施設と相談の上、継続雇用もあり)というスケジュールです。
OJT研修終了後、そのまま継続して介護助手として採用されたのは、23名でした。
未経験でも参加しやすく、お試し期間で現場の空気を感じられ、OJT研修終了後の継続雇用の定着率も高まります。
介護現場を知ることのできる良い制度です。
中田さん:
「介護助手」が行う業務は、資格を必要としない『生活の延長線上の行い』です。
例えば「今日もいい天気ですね」とお話しながらお部屋を掃除したり、シーツを交換してベッドメイキングをしたり。
自分の親や祖父母にそうしてあげるように、日々の暮らしのお手伝いをするのが介護助手なのです。
「介護助手」のOJT研修終了後に、介護業界で働かなかったとしても、介護の経験は一生の貴重な体験になります。
若手もシニアも、まずはアルバイトやパート感覚で体験してもらって、抵抗感を無くしてもらえたら嬉しいです。
令和4年度も介護助手事業の実施を予定しており、令和3年度の介護助手事業の担当者として、「介護助手」という制度がより認知されることを願っています。
令和3年度の「介護助手事業」では、特別養護老人ホーム・老人保健施設・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を対象に、下記の計20施設で実施されました。
⇒令和4年度の実施施設はこちら
◆東予エリア
1 特別養護老人ホーム 萬翠荘(四国中央市中ノ庄町542)
2 特別養護老人ホーム ふたば荘(新居浜市船木甲959-3)
3 特別養護老人ホーム なごみ(西条市周布326)
4 済生会今治老人保健施設 希望の園(今治市喜田村7-1-6)
5 介護老人保健施設 ヒロセ(今治市国分7-4-1)
6 特別養護老人ホーム リーフガーデンあさくら(今治市朝倉下乙102-2)
7 介護老人保健施設 おおにし光生園(今治市大西町九王622-1)
◆中予エリア
8 特別養護老人ホーム 五明苑(松山市菅沢町乙411-1)
9 介護老人福祉施設 味酒野ていれぎ荘(松山市衣山5-719-1)
10 グループホーム しょうせきあいあい(松山市南吉田町1872-2)
11 特別養護老人ホーム アテーナ(松山市保免中3-3-23)
12 特別養護老人ホーム 梅本の里(松山市北梅本町1624-1)
13 特別養護老人ホーム 重信(東温市北野田533-1)
14 グループホーム サマリヤの家(上浮穴郡久万高原町上野尻甲623-2)
15 特別養護老人ホーム 鶴寿荘(伊予郡松前町大字鶴吉635-1)
16 グループホーム 土香里(伊予市大平225-1)
◆南予エリア
17 グループホーム きららハウスアイリス(八幡浜市保内町川之石6-164-1)
18 特別養護老人ホーム コンフォート神山(八幡浜市五反田1-76-3)
19 特別養護老人ホーム つわぶき荘(西宇和郡伊方町湊浦861-1)
20 グループホーム アクティブライフ宇和(西予市宇和町卯之町5-233)
⇒令和4年度の実施施設はこちら
令和3年度に初めて「介護助手」の受け入れをした、愛媛県松山市にある『特別養護老人ホーム 五明苑』の富永さんにお話を伺いました。
富永さん:
介護職員を募集しているものの、なかなか人材が揃わずに困っていたところ、愛媛県社会福祉協議会から介護助手事業についての説明を受け、「介護助手」の受け入れを検討しました。
まだ人材不足は完全に解消されてはいませんが、「介護助手」を迎えたことで、確実にプラスになったと実感しています。
具体的には、「介護助手」が介護職員のフォローにまわってくださることで、介護職員のご利用者さまへのサービスの質が上がりました。
「介護助手」に対し、最初の指導を行うために時間を割く必要がありましたが、介護職員が自身の業務を他人に教えることで、改めて自分の介護業務に専念することができ、スキルアップにも繋がったと思っています。
富永さん:
新しい方が増えると、良い意味で現場が引き締まりますね。
皆が初心に戻って、業務に取り組むことができています。
ぜひ、今後も介護助手事業を継続して欲しいですね。
介護職員はもちろん、ご利用者さまも喜んでいました!
人生経験値の多い年齢の高い方のお力も、もちろん必要としていますが、施設としては長期的な戦力も必要としていますので、若手の募集にもより力を入れていただけると嬉しいです。
愛媛県松山市にある『特別養護老人ホーム 五明苑』で3か月間の「介護助手」を経験し、継続して雇用する道に進まれた、香川さんにお話をお伺いしました。
香川さん:
私はこれまで、全く違う仕事をしていたので、介護は全くの未経験です。
新聞の折り込みチラシを見て「介護助手」という働き方に興味を持ち、事前説明会に行ってみました。
「周辺業務なら、自分にもお役に立てそうだ!」と感じ、応募したのです。
実際に体験したところ、自分のイメージ通りの業務内容で安心しました。
最初は、ご利用者さまのお名前や部屋割りだったり、個性を覚えたりするのに苦労しましたが、だいぶ流れも掴めてきたので、今では戸惑うことも減っています。
ご利用者さまには介護職員と介護助手の見分けがつかず、身体介護などの従事できない仕事を頼まれることもあり、即対応できず困ったこともありました。
そんな時は介護職員さんに対応をお願いしていますが、いつか自分で解決できるようになれたら嬉しいですね。
今は目の前の仕事でいっぱいですが、知識があると、余裕をもってご利用者さまに接することができるので、資格の勉強をしようかな?と思うこともあります。
香川さん:
ご利用者さまは、個性的でコミュニケーションが楽しい方も多く、「もっと関わっていたい」と思い、継続雇用を希望しました。
たとえ意思疎通のできないご利用者さまであっても、表情で何となく気持ちが分かります。
そんな時も「あぁ、意思が通じた!」と感じ、やりがいを感じますね。
「介護助手」に参加したことで、私の介護に対する見方は良い方向で変わりました。
ご利用者さまとコミュニケーションがとれたり、「ありがとう」という言葉をいただいたりするのが、とても嬉しいですね。
「介護助手」に興味を持たれている方がいらっしゃいましたら、現場の様子を見ながら仕事ができるお試し期間として、ぜひ気軽に「介護助手」に挑戦してみてください!
あまり気負わず、気楽に関わってみると、介護の楽しい面がたくさん見えてくると思います!
令和4年度に『介護助手事業』が開催される際は、7月頃に新聞折込チラシなどで事前説明会の案内などが告知される予定です。
まずは事前説明会に参加してみてはいかがでしょうか?
1時間程度で、「介護助手」や業務内容、施設の紹介や採用に向けたスケジュールについてレクチャーしてもらえますよ。
「介護助手」の経験は、生きがいや健康づくりに繋がったり、生活にメリハリがついたりと、参加される方の今後の人生にとって、素晴らしい経験となるでしょう!
「介護助手」としての働き方が一般的になり、様々な方々が働くことができることで、地域や社会全体が元気になっていくと嬉しいですね。
この機会に、ぜひ気軽に参加してみてください!
⇒令和4年度の愛媛県介護助手事業についてはこちら
⇒令和4年度愛媛県介護助手事業 募集案内はこちら
|
|
|