有料老人ホーム紹介センター、高齢者住宅紹介サービス、老人ホーム紹介サービス等、のサービスが、愛媛県という地方エリアにも少しずつ広がってきました。
(以下、「老人ホーム紹介サービス」と記載します。)
このサービス、実は10年以上前から全国では存在しているサービスです。
ただ、「都市部」限定でしか成り立たないサービスでした。
理由は簡単。
入居一時金(入居権利金)が1,000万円~数千万円の高級有料老人ホームが、都市部は多いため、入居一人に対して50万円ぐらいのお金を支払っても、入居一時金(入居権利金)の方が圧倒的に利益が大きかったからです。
えっ?お金がいるの???無料じゃないの???と思われた方。
はい。世の中、無料で動いてくれるサービスはありません。
後で出てきますが、ここ、超大切です!
現在はルールが変わりましたが、当時は、入居一時金(入居権利金)の多くが1年で50~90%ほど「償却」されてしまっていました。
わかりやすくいえば、1年で退去したとしても、1,000万円~数千万円の大半が戻ってこない、という仕組みだったのですね。
だから、入居一時金(入居権利金)って丸儲けだったのですよね。
都市部でこのサービスが広がる訳です。
その後、ルールが変わり、現在は入居一時金(入居権利金)は前受金扱いとなり、期間均等償却、保全措置が指導されています。
(ただし、強制力はありません。)
時代は変わり、多くの入居施設は入居一時金(入居権利金)方式から、一般不動産と同じ「敷金方式」へと変化してきました。
すなわち、一人の入居が発生しても、入居一時金(入居権利金)が取れない時代になってきた、ということです。
愛媛県のような「地方」にとっては、もともと、ほとんど入居一時金(入居権利金)が取れない状況ですが、全国的にも「敷金方式」が主流となってきました。
その後、サービス付高齢者向け住宅という仕組みも始まり、こちらはほぼ市町村の決まりで「敷金方式」を義務づけられました。
すなわち、50万円払って紹介してもらっても利益が増えず、「経費が増える」という状況になりました。
普通で考えたら、この「老人ホーム紹介サービス」は衰退していくはずです。
でも、気付いたら、愛媛県のような地方でも少しずつ広がってきているわけです。
おかしいですよね?
なぜ?
理由は簡単です。
そもそも、「老人ホーム紹介サービス」というのは、
1.老人ホームに入居したい方
2.入居者を募集している老人ホーム(入居施設)
の双方が必要です。
老人ホームに入居されたい方は、それまでは様々な在宅介護サービスを利用されています。
介護が必要な高齢者一人一人に、ケアマネジャー(介護支援専門員)がついている訳ですね。
愛媛県のような「地方」では、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)や、地域包括支援センターが、その方に合った老人ホーム(入居施設)を紹介してくれていました。
もちろん、ケアマネジャー(介護支援専門員)は「紹介に対する対価」を取ってはいけませんので、紹介料は無料です。
老人ホーム(入居施設)は、入居者を紹介してもらっても「無料」だった訳ですね。
ただ、時代と共に、ケアマネジャー(介護支援専門員)の業務は超多忙になってきました。
そこで、「老人ホーム紹介サービス」は、居宅介護支援事業所や、地域包括支援センターや、医療機関の地域連携室(入退院の調整を行う部署)に言って、このように言うわけですね。
「お忙しいでしょうから、私たちが変わって、老人ホーム(入居施設)を探しますね。もちろん「無料」です!」
「無料」なのね!ということで、居宅介護支援事業所や、地域包括支援センターや、医療機関の地域連携室は、業務の手間が省けるために、「入居希望者」、「退院の際に行き場所がない方」を、「老人ホーム紹介サービス」に託すわけですね。
もちろん「善意」で、です。
しかしながら・・・なのですが、
「老人ホーム紹介サービス」が連れて来た「入居希望者」を受け入れると、大きなお金が発生するのですね。
その額は「地方」においては、だいたい「30~40万円」!!
そのお金って、本来ならば
・入居者のより良い生活のために使われるお金
であって、そのために、
・現場の職員やサービスに使われるべきお金
なのですよね。
介護報酬って下がってきているのですよ。
人不足で、求人コストも大きくなってきているのですよ。
つまり、居宅介護支援事業所や、地域包括支援センターや、医療機関の地域連携室が「老人ホーム紹介サービス」に「善意」で、「入居希望者」を紹介すればするほど、入居施設の経営にマイナスに作用していく訳です。
簡単に言えば「サービスの質が下がっていく!」のです。
居宅介護支援事業所や、地域包括支援センターや、医療機関の地域連携室の皆さんが、
「この方は○○という入居施設が合うと思うから紹介してみて!」
とか
「○○という入居施設が空室があるみたいだから紹介してみて!」
と「老人ホーム紹介サービス」に「入居希望者」を紹介すればするほど、「30~40万円」単位で地域の介護業界から無駄なお金が消えていく訳です。
特に「地域包括支援センター」の業務には、「老人ホーム(入居施設)を探す」という業務が含まれています。
税金が使われている「地域包括支援センター」が、その業務を放棄して、地域の介護業界にとってマイナスとなる「老人ホーム紹介サービス」に「入居希望者」の紹介を丸投げしてしまうのは、もってのほかなのです。
逆に考えると、
「入居希望者」を連れてきた「老人ホーム紹介サービス」に対して、「30~40万円」単位でお金を払う老人ホーム(入居施設)があるからこそ、このサービスが続いているということも考えなければなりません。
全老人ホーム(入居施設)が「老人ホーム紹介サービス」に対して、NOを言えば、すぐになくなってしまうサービスなのです。
自ら希望して、「老人ホーム紹介サービス」に対して、「30~40万円」単位でお金を払う老人ホーム(入居施設)については特に問題ありません。
ただ、まだまだ多くの老人ホーム(入居施設)は「老人ホーム紹介サービス」に対してお金を払わないのも現実です。
つまり、
「老人ホーム紹介サービス」が「入居希望者」を連れていく先は、「お金を払う意思がある老人ホーム(入居施設)」のみなのですよね。
本当に「入居希望者」に合った老人ホーム(入居施設)を、果たして紹介しているのでしょうか?という問題もあります。
場合によっては、「老人ホーム紹介サービス」が「無料」で「入居希望者」を紹介しているケースも見受けられます。
これ、「30~40万円」単位でお金を払っている老人ホーム(入居施設)は、どのように思っているのでしょうか?
ケアマネジャー(介護支援専門員)の皆さま!
「お忙しいでしょうから、私たちが変わって、老人ホーム(入居施設)を探しますね。もちろん「無料」です!」
という言葉を信じて、紹介業務は「無料」と思っていませんか?
皆さんが、直接、老人ホーム(入居施設)に電話されるだけで、「30~40万円」単位で地域の介護業界から無駄なお金が消えていくことはありません。地域のより良い介護に使われます。
皆さんが、「入居希望者」に対して、「老人ホーム紹介サービス」を紹介する毎に、「30~40万円」単位で地域の介護業界から無駄なお金が消えていっています。地域の介護業界の貴重な資金・資源を奪っています。
改めて記載しますが、
このお金は、
・入居者のより良い生活のために使われるお金
・現場の職員やサービスに使われるべきお金
です!
このことを、きちんと知っておいていただければと思います。
「メディカサイト」は、そのために、10年以上もの間、様々な入居施設の最新の空室状況を、WEBおよびFAXにて、居宅介護支援事業所や、地域包括支援センターや、医療機関の地域連携室に配信しています。
【介護施設の空室情報、利用状況】WEB版
https://www.medica-site.com/riyouinfo/index.html
【介護施設の空室情報、利用状況】FAX版
https://www.medica-site.com/riyouinfo/kyotaku.pdf
ぜひ、これまでと同じように、皆さんが、直接、老人ホーム(入居施設)に電話してあげてください。
それだけで、未来の介護業界は良くなります。
そして、老人ホーム(入居施設)の皆さん
「老人ホーム紹介サービス」が連れてこられた「入居希望者」さんに、
「どこで、「老人ホーム紹介サービス」を紹介してもらいましたか?」
と聞いてみてください。
その紹介元に電話をして、「老人ホーム紹介サービス」を利用されると、「30~40万円」という貴重なお金がなくなってしまう、ということを伝えてください。
「善意」で「無知」なことが問題ですので、正しい知識を伝えてあげてください。
「老人ホーム紹介サービス」に「30~40万円」という貴重なお金を払うぐらいでしたら、 「入居希望者」の方に、少額で良いので「初月の家賃を減額」してあげてください。
「メディカサイト」は、そのために、「入居準備金プレゼント」というサービスを間接的に行っています。
【入居が決まると入居準備金をプレゼント】
https://www.medica-site.com/junbikin/
はっきり言って、弊社はこのサービスを使っていただければいただくほど、人件費と振込手数料分が「赤字」です。
それでも、やっぱり、1人の紹介を受けるだけで「30~40万円」というのはおかしいのです。
本来でしたら、入居の仲介は、宅建士のいる「不動産会社」の資格業務です。
それを、「契約に関わらない」というグレーゾーンをついて、「老人ホーム紹介サービス」を行っている訳です。
「不動産会社」の仲介ならば、双方「1ヵ月分の家賃」程度の費用負担で済むわけです。
法律の隙間をついた「老人ホーム紹介サービス」の仲介ならば、費用負担が一桁増えてしまうのは、やはりおかしいと思います。
自分たちの地域の介護業界を、自分たちで悪化させないように、きちんと意識して行動していく事が大切です!
(記 2019年1月11日)
|