介護の世界に入って、6年目です。
それまでは、旅館の仲居さんや経理などの仕事をしていました。
何か手に職をつけたいと考えていたところ、両親から「介護の資格を取ってみたらどうか?」とアドバイスをもらったので、介護職員初任者研修のカリキュラムに参加したのです。
はじめは「介護の仕事は自分に向いていない気がするけど、とりあえず参加してみよう」という気持ちでの参加でした。
しかし、勉強を重ねるうちに「やるからには、一発で合格したい!」という思いが強くなり、テキスト本を何度も読み込んで、猛勉強!
ここまで必死に勉強したのは、学生の時以来かもしれません。
その甲斐もあって無事に合格できました。
猛勉強しながらも「本当に、介護の道が自分に合っているのかな?」と迷っていた私でしたが、実習先で出会った、あるご利用者さんの「つまらんのよね」という呟きを耳にして、介護の道に進む決意が固まりました。
ご利用者さんが「いつも同じ生活で、楽しいことが無いんよ」と寂しそうにお話しされる姿を見て、「もしかして、こういう方がたくさんいるのかな?」「私だったら、こういったことをして、毎日を楽しませてあげたいな!」と考えたのです。
実際に介護職員として働いてみたところ、かなり早い段階で、仕事に行くのが楽しみになっている自分が居ることに気付きました。
「あっ!私に向いている仕事だったんだ!私のやりたいことって、コレだったんだ!」と思いましたね。
その気持ちは今も変わりなく、天職だと思っています。
私にとって、この介護のお仕事は楽しいものです。
しかし、良かれと思って行動したけれど、望んだ結果に結びつかなかったという事例も、少なくはありません。
そういった状況になった際、私が大事にしているのは「どうしてだろう?どうしたらいいだろう?」と、相手の身になって考えることです。
先日、その成果が実り、あるご利用者さまの「爪を切る」という業務を無事に行うことができました。
そのご利用者さまは、刃物を怖がる方だったので、全く爪を切らせてくれようとしません。
しかし、そもそも知らない人に勝手に爪を切られるのは、誰だって怖いものですよね。
そこで、ご利用者さまに気持ちよく爪を切らせていただけるよう、日々の挨拶から日常会話までを見直し、自分を信頼していただけるように努めました。
積極的にお声がけをし続けて、約一か月後のこと。
爪切りの話題を出したところ、スッと手を差し出し、爪を切らせてくれたのです!
「本当にいいんですか?」
「ありがとうございます、キレイに切らせてもらいますね!」
あんなにも刃物を嫌がっていたご利用者さまが、私に任せてくださるなんて!
本当に、嬉しかったです。
何かが上手く行かないとしたら、何か、きっと理由があるはず。
その「どうして?」を探すために、相手の心の中に入っていくことが、介護の世界では特に大切だと思っています。
今年は介護福祉士の資格を得たり、介護主任という役職をいただいたりと、やりがいと変化の多い年でした。
これからも、ご利用者さまや、一緒に働くスタッフみんなが幸せに過ごせる空間を提供できるように、私なりに「どうして?」を考え、改善し続けていきます!
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「ご利用者さまのご家族から『母は、あんなにキレイに歩けるのですね。元気に過ごしている姿を報告してくださって、安心しました。いつもありがとうございます』と連絡を受けるのも、励みになります」と笑う中野さん。
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ショートステイのご利用者さまを、笑顔でお見送り。
「また来るけんね!と笑顔で言ってくださるのが、とても嬉しい。もう一泊していきませんか?と話しかけたくなってしまいますね」と中野さん。
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