現役の噺家!いつも笑いが絶えません
介護の世界に入って、4年目です。
中学生の時から、介護施設と関わってきました。
介護施設へ出かけ、月に一度「落語」を披露していたのです。
落語をするきっかけは、学生向けの夏休みの企画で、子規記念博物館が開催している「正岡子規について学ぼう」というイベントに参加したことでした。
イベントへは小学生の時から毎年参加していて、子規について調べ、「子規新聞」を作っていました。
その後、中学生向けのイベントの「落語で子規さんについて語ろう」へ参加できるようになった、その時、人生で初めて落語に触れたのです。
2日間、子規についての落語を学び、3日目に介護施設で落語を披露したのですが…
この「落語で子規さんについて語ろう」の3日間の体験が、それはもう大変に面白くて!
私と同じく「楽しい!気持ち良い!」と感じた参加者が8人程いたので、そのまま落語サークルを作りました。
そのおかげで中学・高校時代は月に一度、介護施設へ出かけて落語をする機会に恵まれたのです。
高校は普通科に通っていたので、その頃はまだ、介護の道へ進むと決めていませんでした。
ターニングポイントとなったのは、介護施設での「職場体験」です。
職場体験は、落語の先輩が働いていた介護施設へお邪魔することにしました。
いつも見慣れている「落語をされている先輩」と、「介護福祉士として働く先輩」のギャップに驚きました。
そして「カッコイイ!私もやってみたい!」と強く思ったのです。
これまで、月一で介護施設へ慰問に伺っていた経験もあり、自分が介護施設で働いている姿のイメージが湧きやすかったのかもしれませんね。
介護の知識や技術は特にありませんでしたが、「よし!介護福祉士になろう!」と決意し、介護施設で働きはじめました。
実際に働いてみて、感じたことは「命を預かる責任感の重さ」でした。
ご利用者様の命を預かっているので「あっ!間違えた!」は、あってはならないことです。
お薬を扱う際はダブルチェックしたり、お風呂場で転倒しないように乾いた状態で動くことを徹底したり、些細な事ですが、ミスの無いよう気を付けています。
仕事では、日常生活でのコミュニケーションの大切さを再認識することができました。
介護福祉士は、ご利用者様からの信頼が何よりも大事で、信頼の構築にはコミュニケーションが重要です。
人それぞれ、心地よく思う距離感やコミュニケーションの頻度などが違うので、見極めが難しいのですが…
それらを超えた先にある、ご利用者様からの心のこもった「おはよう!」や「ありがとう!」の反応が大変嬉しく、やりがいに繋がっています。
この面白さに気付いた時、「この仕事、すごく良いな!楽しいし、私に向いてる!こんな仕事があるなんて、思わなかった!」と思ったのです。
そしてこの面白さは、落語に通じるものがあるとも感じました。
実はもともと、人前で話すことが得意ではありませんでした。
落語を始めたことで、様々な年代の人と話す機会が増え、次第に自分からも話題を振れるようになり、世代を超えたコミュニケーションも円滑に行えるようになったのです。
また、ご利用者様の表情を読み取ること、発言の際の間の取り方、発声の強弱のコントロールなど、落語が仕事にも役立っていると感じることも多く、落語をやっていて良かったと思っています。
早いもので、落語を始めて、来年の8月で10年目になりました。
今後、施設の新春イベントなどで「落語を披露してみては?」という企画案も出ています。
ただ、落語を演じている間は、もはや別人なので…
私の別の一面を知ってもらえる嬉しさと、気恥ずかしさが少し入り混じった、少々複雑な心境です。
でも、ちょっとやってみたいような…そんな想いもあります。
いつかご披露する機会があれば、全力で楽しみます!
これからは、より介護の技術を磨いて、自分の出来る範囲を増やしたいと思っています。
ご利用者様から、心から頼っていただけるよう、お心に寄り添う介護を研究したいです。
ケアマネといった資格も見据えて、今後も頑張っていきたいと思います!
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利用者さんの表情は、日々過ごして行く中で自然と良く目が行くという栗栖さん。 「物事をしている時に、言葉以外で、『楽しんでいる』や『しんどそう』などを読み取れるのが表情だと思っているので、いつも気にしています」。
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「今日の体調は、いかがですか?」転倒されないように注意を払いながら、お散歩のお手伝いをする栗栖さん。
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